川出 健介 KAWADE Kensuke ー 助教 ー
■ 植物発生学
- 大学院理工学研究科生命科学部門生体制御学領域 所属
- 博士前期課程生命科学系専攻生体制御学プログラム 担当
- 理学部生体制御学科 担当
研究について
解糖系やアミノ酸代謝からなる一次代謝には、エネルギーを生み出すとともに、細胞の部品をつくる役割があります。これらは生命を保つために必須であるため、一次代謝のネットワークは乱れないように強固に組み立てられています。ところが近年、特定の発生および成長といった局面で一次代謝ネットワークが変化し、別の役割を果たすことも分かってきました。これは、単細胞生物である酵母や大腸菌を調べて明らかにされてきた代謝の知識をもとにしつつ、多細胞からなる器官の発生および成長にともなう新しい代謝の理解が必要であることを示唆しています。このような代謝を私は「発生・成長メタボローム(メタボローム = 細胞内にどのような代謝物がどのくらい蓄積しているのか示す情報)」と捉え、その同定や、機能および調節メカニズムの解明を目指しています。
そのために、植物科学の分野では世界中で調べられているシロイヌナズナや、陸上植物の進化初期に現れたヒメツリガネゴケと呼ばれるコケ植物、土壌細菌の一種である根粒菌と共生するマメ科植物のミヤコグサなど、興味のある現象に応じて実験材料を使い分けています。