埼玉大学 理学部 / 大学院理工学研究科
生体制御学科 / 生体制御学プログラム
Department of Regulatory Biology, Saitama University

古舘宏之 助教

古舘 宏之 FURUDATE Hiroyuki ー 助教 ー

■ 神経生物学

  • 大学院理工学研究科生命科学部門生体制御学領域 所属
  • 博士前期課程生命科学系専攻生体制御学プログラム 担当
  • 理学部生体制御学科 担当
研究について

 私たちの脳は、空腹状態などの欲求を知ることができますし、また目や耳や鼻などで自分の外(環境)の様子も知ることができます。それらの欲求や外の環境情報をもとに私たちの脳は、からだの各部の筋肉に、適切な運動するように命令することができます。例えば空腹時は、食べ物を探す行動を起こすための命令を行います。さらに、私たちの脳には学習能力があり、欲求を満たすために行動を効率的にコントロールすることができます。先ほどの空腹時の例では、最初は食べ物がどこに存在するかわからないので、食べ物を探す行動を起こすと思いますが、学習により食べ物の場所を覚えていれば迷うことなく、すぐに食べ物にたどり着くことができます。脳の中には、たくさんのニューロン(神経細胞)が回路を作っており、主に電気信号を使って、情報のやり取りをしています。ニューロンの基本的な性質や脳の基本的なデザインは、私たちがもっている遺伝的な情報によって形作られていることは間違いないことですが、学習はその遺伝的な背景をもとに欲求などの内部情報および外部環境から脳で自発的に作られる特殊な機能です。私は、動物が内部情報および外部環境をもとに学習を行い、行動を決定するまでの脳における仕組みについて研究しています。具体的には、実験動物としてラットやマウスを用いて、学習課題を解いている動物の脳からニューロン活動を電気的に計測し、学習とニューロン回路特性との関係を調べています。また、特定の脳領域を破壊する方法を用いることで学習行動に与える影響を調べ、どの領域がどんな学習の機能と関係するかを調べています。

研究業績