埼玉大学 理学部 / 大学院理工学研究科
生体制御学科 / 生体制御学プログラム
Department of Regulatory Biology, Saitama University

井上悠子 助教

井上 悠子 INOUE Yuko ー 助教 ー

■ 植物生理学

  • 大学院理工学研究科生命科学部門生体制御学領域 所属
  • 博士前期課程生命科学系専攻生体制御学コース 担当
  • 理学部生体制御学科 担当
研究について

 生物は、様々な方法で生命維持に必要な栄養の獲得を行っています。植物は、光合成の機構を生体内に持っており、光を受けて自らエネルギーを作り出すことが出来ます。そのためほとんどの地上植物は補食に出向く必要がなく、その多くは地面に根を張り、一定の場所から移動せずにその一生を終えます。しかし自然界では様々な環境の変化が起こるため、時として十分な栄養を作り出すのが困難な場合があります。このような栄養飢餓にそなえるためのメカニズムのひとつとして『オートファジー』が知られています。オートファジーは、auto-(自らを)、phagy(食べる)という語源からなる名の通りに、栄養が得られなくなった際に細胞内で自分自身の一部を消化することでエネルギーに変えて生命を維持するメカニズムです。このメカニズムは植物、動物、微生物など多くの真核生物の細胞に共通して存在していることが分かっています。
私はこのオートファジーに関し、タバコ培養細胞やシロイヌナズナなどのモデル植物を利用して解析を行っています。その中で、真核生物に共通のメカニズムであるオートファジーが、高等植物においては栄養の獲得のためだけの機構ではなく、様々な生理機能を担っていることが明らかになってきており、その解明に取り組んでいます。

研究業績